「デッサン」という言葉に振り回されてはいけない理由
同じ言葉でも人によって意味や
とらえ方の違う言葉が存在します。
例えば「愛」「萌え」そして「デッサン」。
絵を描く人が振り回されがちな言葉
それが「デッサン」です。
「デッサンをしなさい」
絵を教えてる人が必ず言うこの言葉。
一体何をもって「デッサン」と言うのか?
頭を悩ませる人は多いのではないでしょうか。
辞書を引いてみましょう。
①(スケッチの)下絵。素描(ソビョウ)。
出典:三省堂国語辞典第三版
②(作品などの)基礎(キソ)。
何だか良く分かりませんね。
絵の描き方を教えてる人の言う
「デッサン」とは違う気がします。
素描を「しなさい」とは!?
絵を描くのは簡単です。
しかし
絵の描き方を教えてる人にとっては
絵を描く事が
難しい物でなければなりません。
絵を描くのが簡単だとバレたら
お金を払って絵を習う人がいなくなるからです。
お金を取って絵の描き方を教えてる人間が
絵を難解に教えるのに便利な言葉。
それが「デッサン」です。
デッサンとは光源です
月を思い浮かべて下さい。
十六夜。
半月。
逆三日月。
これを人物に当てはめてみましょう。
十六夜。
半月。
逆三日月。
赤い矢印は光源になります。
光源を考える。
これが「デッサン」です。
簡単ですね。
光は乱反射するので
実際は上のイラストみたいに
単純ではありませんが
漫画の絵ならこれで十分です。
石膏、静物、人物、背景、そして空気。
眼に見える物で描けない物はありません。
何故なら人間の眼に見えているのは
光の反射だからです。
漫画は線で表現する事が多いですが
西洋の油絵では輪郭線は描きません。
デッサンを語る人は
西洋の油絵をイメージ
している人が
多いのではないでしょうか?
漫画の線画と
西洋の油絵で表現が違うのに
ひとくくりに「デッサン」と言ってしまうと
混乱の元です。
表現方法が違うだけで漫画の線画でも
デッサンは出来ます。
本当は簡単なのに
お金を取って
わざと難しく教える業者には
気をつけましょう。
デッサンの技法書は
形の取り方ばかり書いてあるので
参考になりませんが
『絵を描く仕事で成功するテクニック』では
パースだけではなく「光とカゲ」について書いてあるので
読んでみると良いかも知れません。
漫画の描き方の記事はこちら